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ローマ暮らしのあれこれ


by soonik
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ままならない夏の一縷の光

ままならない夏の一縷の光_c0385426_02335443.jpeg

今年の夏は、心配事や悲しい事、思いもしなかった別れが重なった。
時の無常さを思い知らされながら、7月8月が過ぎていった。

別れの一つは、なんだそんなこと、と言われそうだけれど、この数年間パン作りに欠かせなかった自家製の酵母。
夏の家に持ってきてしばらくすると、育ちが鈍り、おかしいなぁと思っていたら、表面にうっすらと白い膜が張ってあるのを発見した。
どうやら、熟れた桃やバナナの横に置いていたのがよくなかったっらしい、というのがわかったのは、あとで散々ネットで調べてからのこと。
今年は7月の初めに暑い日が続いて、果物にカビがよく生えた。
空気を媒介して、カビは酵母にも移って繁殖した模様。

カビが生えると酵母は、捨てるしかない。
知人から分けてもらった酵母は、100歳を超えるということもあって大切にしてきたけれど、あっけなく生ゴミになってしまった。

しょうがない、一から酵母を育てようと、ネットいろいろ調べて小麦粉と水を混ぜて酵母を培養することになった。
たいていのサイトでパンが焼けるようになるまで酵母が熟するのは」平均で7日とあったのに、私の酵母は2週間経っても3週間経ってもパン生地を持ち上げられるほど力強くは育ってくれない。
毎日、酵母になりかけた小麦粉と水の混ぜ物の半分を捨て、新たに同量の粉と水を加えて混ぜる。
捨てる粉もバカにならないよとガラス瓶に入れた小麦粉と水を混ぜものをじーっと睨むのが悪いのか、いつも半人前酵母は少しづつ、ゆっくりとしか育ってくれない。
取り憑かれたようにガラス瓶を見つめる日々が1ヶ月以上過ぎた頃、一泊二日で山に行くことになった。
もうこれでダメなら、いつも買い物をするパン屋さんで酵母を分けてもらおうと決めて、酵母を一日放っておくことにした。

一日以上視線を浴びなかったのが良かったのか、山から戻って酵母に新たに粉と水を加えると、今までにないくらいグングンと育ち出した。
酵母は小麦粉中の糖分を食べながら二酸化炭素を出す。
元気だとドンドンと糖分を食べ、ドンドン呼吸をするので、粉と水の混合物は分解されながらガスを含んで膨らんでいく。
昨日までのろのろと育っていた酵母は、まるで別物かのようにスクスクと育っている。
信じられない気持ちと嬉しさが半々で、またまたマジマジと酵母を見てしまう。

念のため、もう一日酵母に小麦粉と水を加えてみると、やっぱり数時間後にはちゃんと育つ。
これならもう大丈夫と、ほぼ2ヶ月ぶりに自家製酵母でパンを焼いた。
成形もクープを入れる時も、なんだかとても手触りが良い。
焼き上がったパンが冷めてから、食事の時間でもないのに待ちきれずに半分に切って出来上がりを見たら、

ままならない夏の一縷の光_c0385426_01133786.jpeg


じゃん。
生地もちゃんと膨らんでいる。
イーストのものと比べて何より香りが良い。
あぁ、やっぱり天然酵母で焼いたパンは違う。
なかなか思い通りに育ってくれなかった分、ゼロから作った酵母が育ってくれた嬉しさはひとしお。







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by soonik | 2023-09-07 04:42 | パン | Comments(0)