人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ローマ暮らしのあれこれ


by soonik
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

2階から飛び降りた男

2階から飛び降りた男_c0385426_17404357.jpeg

日本から帰ってきたのね、と相方の友人が昼食に招待してくれた。
カナッペやナッツをつまみながらの食前酒を頂きながら近況報告をした後、
テーブルに移動して手料理を頂いた。

食事中、彼女の年老いた姉のことから、年金や遺産分けの話になったとき、
自殺した従兄のことを語りだした。

その従兄は生まれつき片方の足が短かったそうで、彼女よりずっと先に生まれて、
足を引きずって歩くことがなければ、戦争に行っていたはずだったけれど、その足のことがあり、戦争に行かずにすんだ。
終戦後は、地元の銀行に定年退職するまで勤めあげた。
結婚はせずにずっと両親と暮らしていたけれど、
年老いた両親が、次々と亡くなった後は、猫一匹とその家に暮らし続けていた。
ある日、親戚が電話をしても出ないので、家に寄ってみると、2階の窓から飛び降りたらしく、彼の身体が窓下に見つかった。
まだ60代だった彼の遺産をいざ調べてみると、今の日本円にして10億円近くあったらしいけれど、遺言を残さずに逝ってしまったゆえに、相続は一番の近親者となり、90歳になる彼の叔母が譲り受けることになった。
ところが、この叔母も年から、実際に遺産を手にする前に亡くなり、結局は、法に従って該当する親戚の間で分配されて遺産相続の話は決着がついたそうだ。

2階から飛び降りて自殺ってできるの、低すぎない?と尋ねると、「まぁね、でも、彼は遺体で見つかったのよ」と友人は答えた。
10億円ものお金は、お給料ではありえないので、たぶん投資で稼いだのだろう、ということだった。
知り得ない彼女の親戚の話は、あまりの大きな金額に比例するかのような圧倒的な孤独に、人の運命って不思議だと感じずにはいられなかった。

2階から飛び降りた男_c0385426_17405946.jpeg

帰り路にとおるジャンニコロの丘は、11月の終わりにしてまだ秋の様子。




名前
URL
削除用パスワード
by soonik | 2022-11-28 00:10 | イタリア観察 | Comments(0)