昨日テレビで「戦場のピアニスト」を観た。
ドイツ軍占領下のポーランドであったユダヤ人迫害の中で奇跡的に生き残ることができたピアニストが主人公。
ピアニストは実在した人で彼の自伝を元に、同じくポーランド系ユダヤ人のロマン・ポランスキーが脚色して映画にした。
ユダヤ人が移住を強いられたゲットーの様子を見ていると凄まじかった。
道端で行き倒れて死んでいる人を見ても、誰もが生きるのに必死で目にもくれない。
老女から奪おうとして路上にひっくり返った粥状のものを這いつくばって啜る老人。
映画だけれど、これが現実だったのだろう、と思いながら観ていて、ふと、ポール・オースターの「最後の物たちの国で」という小説を思い出した。
ずいぶん昔に読んだその本の中で、このゲットーと同じような場面が繰り広げられている。
あぁ、オースターの小説に出てくるあのシーンは創作じゃなかったんだ、とその時わかった。
ユダヤ系のオースターなら、きっと第二次世界大戦前戦中のヨーロッパのユダヤ人迫害の嵐についてはよく知っているのだろう。
小説を読んだ、当の私は、印象に残りながらも作り事として物語の過程として流し読んでいた。
さて、再ロックダウンの初日、買い物をしに近所を歩くと、1年前と違って、列をつくらずにどのお店でもすんなりと用を済ますことができた。
通りを歩く人ももう慣れているから、感染の恐怖でピリピリしていた去年と比べると案外のんびりしている。
去年も復活祭に食べる甘いパネトーネ型のピッツァを同じパン屋さんで買ったんだった。
フワフワのピッツァは、シナモンの香りがしてほんのりと甘くて相変わらず美味しい。