
イタリア語で「火の大地」という言葉がある。
それは、カンパーニア州の主にナポリから上に向かって州北部の地域一帯を指す。
この地域のあちこちで産業廃棄物の違法な野焼きが頻繁に行われていることから、そんな風に呼ばれるようになった。
ローマで暮らしはじめた頃、夏のある日に夕食に呼ばれた。
その家の人が前菜に用意したのがモッツアレッラチーズだった。
モッツアレッラやハムを盛った皿をテーブルの中央に置きながら、「このモッツアレッラは、カンパーニア産じゃないから安心して食べられるわよ」と言ったのを覚えている。
ナポリに州都があるカンパーニア州は、水牛の乳からできるモッツアレッラで有名だ。
190キロとそれほど遠く離れていないローマでは、カンパーニア直送の新鮮なモッツアレッラが簡単に手に入る。
けれど、あの日の知人だけではない、他にもカンパーニアのモッツアレッラは食べないという話をたびたび耳にする。
野焼きされたり放置された産業廃棄物は、空気と大地を汚染する。
水脈や大気にのって汚染物質は水牛へも到達する。
先日テレビで放映されたドキュメンタリー番組で見たその光景は凄まじいものだった。
田舎道に、一般のゴミに混じってタイヤや塗料、化学薬品らしきものが入ったバケツやらが山高くもらた風景が長く続いていた。
廃棄物には、工業が盛んでないカンパーニア州に存在しない重金属等の物質が多く含まれるという。
それは、別の工業地帯から廃棄物が運ばれてきたことを意味する。
ゴミがある程度まとまったら、火をつけて燃やし、かさを減らす。そこに、またゴミを持ち込む。
燃える破棄物の山から立ち上がる黒煙は周辺の住宅地域にもおよぶ。
実際、州北部のガン発生率は、南イタリアの他の地域と比べてかなり高いことが報告されている。
今朝届いたという真っ白なモッツアレッラチーズを口に含みながら、テレビで見た黒煙が脳裏から離れない。
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