ローマ暮らしのあれこれ


by soonik
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

なぜ山に登るのだろう

c0385426_14081168.jpeg
イタリアの山には、Ferrata(フェッラータ)と呼ばれる、鉄のロープや梯子のついた岸壁ルートが存在する。
ヴェネトの北に位置するトレンティーノ・アルト・アディジェ州は、ドロミテをはじめ山に囲まれた地域で、このフェッラータも豊富で、夏にもなると岩登り用具を装備した観光客が押し寄せる。

去年、フェッラータに行こうと、相方に提案された私は、その言葉を知らずに、鉄柵のついた山道でも歩くのかと、トンチンカンな勘違いをして、何も考えずについて行った。
山に入ってみて、岸壁を登り降りしなければいけないということがわかり、10メートル以上の崖に掛けられた鉄梯子の上で、すくみ足で激しく来たことを後悔した。
実は、この時岩登り専用の装備もしていなかったので、足元を間違えた時のことを想像して心底ゾッとした。
元々、高所恐怖症で、山歩きは、実はそんなに好きではない。
それでも、山をこよなく愛する相方に引きづられて泣く泣く合計3つの岸壁ルートを登った。
c0385426_14075205.jpeg
今年は、もう二度と行くまいと思っていたフェッラータに、昨日やっぱり行ってしまったのは、何故だろう。
岸壁登りに必要なのは、とにかく岩壁にわずかな隙間でもしっかりと足をかける場所を見つけることだ。
鉄ロープに頼ってしまうと、腕が疲れてしまうので、バランスよく四肢の全てを使って岩を登っていかなければならない。
調身、調息、調心、と合気道で習った言葉を頭の中で呪文のように唱え、お尻の穴を閉め、下腹に重心を置くようにして、ゆっくりと歩を進めて行く。
時には、足場がない、どうしよう、と思う場面にも出くわす。
調身、調息、調心、と繰り返し、手がかりならぬ足がかりを探す。
これじゃあ、まるで合気道と同じじゃないか、ルートを登りきって、眼下に広がる葡萄畑を見ながら思った。
c0385426_14070826.jpeg
山から下りて、相方に「登って良かっただろう?」と聞かれても、正直言って達成感はない。
なんで、私は、好きでもない岸壁を登るんだろう。
まぁ、登山後に罪悪感なしにたっぷりの生クリームつきで食べるトレンティーノ州の名産のアップル・ストゥルーデル(巻いたアップルパイ)は、確実に動機の一つだけれど。
c0385426_14073586.jpeg

[PR]
by soonik | 2018-08-03 22:18 | 合気道