ローマ暮らしのあれこれ


by soonik
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トラットリア ダ・ドーロ

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バッサーノ・デル・グラッパから国道47号線沿いに北上すること7キロ、道路の右側にソラーニャという眠ってしまったかのような集落がある。
集落には、小さな食料品店が2軒と新聞屋、金物屋があるのみで、通りに人が歩いていることは稀で、そもそも人のいる気配がしない。
そんなソラーニャに、トラットリア、ダ・ドーロがある。

ダ・ドーロでは、テーブルについて、注文を済ませると、お通しといった感じでチーズと店で生地から作っている数種類のパンを出してくれる。
チーズは室温に戻してあって旨味を一番感じることができる状態になっているところから、店のこだわりどころがよくわかる。
メニューは、他のレストランでは見かけない鱒のムースや、粟を使ったヴェジタリアン料理なんかがある。

店のオーナーシェフのスカピンさんは、2代目で、必ずお客さんに料理の説明をしに調理場から出てくる。
食べるのも呑むのも、お喋りも大好きなようで、厨房を閉めると、必ずや残った常連客と、時にはワイングラスを片手に会話の花を咲かせている。

レストランのホームページを見た時、過去に料理教室も開いたことがあるのがわかったので、去年、ダ・ドーロで食事をした際、スカピンさんがテーブルに挨拶に来たときをみはからって、「料理教室はもうしないんですか?」と尋ねた。
「料理教室はもうしませんが、興味があるなら、レストランの厨房にいらっしゃい。私が料理をするのを見たらいい」と思いがけない返事が返ってきた。

都合の良い時を電話で連絡します、と言うスカピンさんに自分の携帯番号を渡してワクワクして待っていると、数週間後「申し訳ないけれど、調理師になるっていう男の子がいて、その子が見習いで厨房に入るので、料理を教えることはできなくなりました」という電話があった。
とても残念だったけれど、確かに地元の若人育成のほうが優先だよな、それにしても電話さえしてこない人も多いのに丁寧に電話してくれたんだから良しとしよう、などと考えながら自分を納得させた。

それが、3週間前、村の広場にあるバールで相方と、相方の叔母さん達と一緒にコーヒーを飲んでいると、「去年、料理を習いたいって言っていた方じゃないですか」と声をかけてきた男性がいるので、見ると、それは、少し痩せたスカピンさんだった。
「去年は別の子が来たり、私も病気をしたりで、悪かったですね。でも、今年は必ず料理教室をやりましょう」と言ってくれたので、あらためて携帯番号を渡して、ではまた、とその時はお別れしたのだった。
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by soonik | 2018-07-31 19:55 | 夏の家