ローマ暮らしのあれこれ


by soonik
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ブレガンゼの丘

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ヴェネト州ヴィチェンツァ県にブレガンゼという人口1万にも満たない小さな街があり、その東には一面葡萄畑の丘が広がる。

そのブレガンゼの丘に去年たまたま出会ったすてきなワイン農家がある。


葡萄畑を横目に車で丘を登りきり、砂利を敷き詰めた庭に車を停め、薄暗い直売所に入る。

「こんにちは」と声をかけると去年もいた生産者の家族とおぼしきショートヘアのおばさんが奥から出てきた。

カウンターでこの地方特有の白のヴェスパイオーロと赤のグラペッロを6瓶づつ、それとデザートワインのトルコラートを1本下さい、とお願いした。

彼女は、ニコリとするわけでもなく、瓶を詰める箱を用意しだした。

箱を用意すると、今度はワインを取りに行かずに、「味見していきなさい」と、私たちを隣の試飲部屋へと案内した。

実は、去年初めてこの生産者を訪れた時も、有無を言わさず試飲部屋に通され、相方と共に、そこで作っている全8種類、グラスにして8杯ものワインを試飲し、車で帰るのが少しおっかなかった記憶がある。

今年は、もう試飲することもないだろうとたかを括っていたのが、果たして、去年と同じく口直し用の乾パンと先ほどカウンターで頼んだヴェスパイオーロがなみなみと注がれたグラスが私たちの前に置かれた。


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おばさんは、ヴェスパイオーロを一口飲んだ私たちの表情をを一瞥して「美味しいでしょ」当然だわねと言わんばかりに呟いて、別の部屋へ引っ込んだかと思うと、今度はパンチェッタとサラミをのせたまな板を持ってきてあらたにグラペッロを別のグラスに注いだ。

「車で来てますし、昼食前なんで・・・」と相方が口ごもりながら言うと、「食前酒よ」と二部もない。

デザートワインのトルコラートも勿論飲まないわけにはいかない。

3杯のワインを飲んで、ようやく買い物の精算となった。

ご馳走になったような気分になり、彼らの作るサクランボのコンフィチュールも一瓶買うと、あ、じゃあ、これも食べてみて、とブドウのコンフィチュールをオマケしてくれた。


つっけんどんだけれど、決して嫌味のない、そして物惜みをしない彼女の様子は、まるでブレガンゼの丘の圧倒的な自然の豊かさなんじゃないだろうかと勝手に想像してしまった。

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(ちなみに、1枚目の写真は去年のもの)



by soonik | 2018-07-09 14:05 | 美味しいもの