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フェットゥチーネと人生の皮肉
2018年 06月 01日
ジュリアのお店イン・クチーナの厨房を切り盛りしているのは、まだ30代前半であろう若きシェフ、ダニーロ。イン・クチーナで出されるパスタは、全て手打ちで、彼の手からその美味しいパスタは生まれる。初めてイン・クチーナを訪れた数年前、ダニーロはポチャっとしていたが、レストランに行くたびに、そのふくよかさは増していた。それが、去年の春、しばらく訪れなかったイン・クチーナに行くと、スッキリとしたダニーロが厨房で頼もしく働いていた。あまりにの変化に、どうしたのかと尋ねると、ダイエットをして30キロ落としたのだと言う。「以前は、夜ヘトヘトになって帰ってから、空腹にまかせて食べたいだけ食べていたんだけど、もう体がつらくって、料理学校で習った栄養学をもとにダイエットをしているんだよ」。聞けば、今は、決まった時間に、量を測って食べているそうな。さらに、パスタは炭水化物の取りすぎになるので一切口にしない。食べないということは、味見もしないということだから、一体、どうやってこの美味しいパスタ料理を作り続けることができるんだろう???「味見もしないの?」と尋ねると、「一口食べたら、多分止まらなくなると思うからね」と答えたダニーロの表情はちょっと寂しような辛いような。
今日は、そんなダニーロの作る美味しいフェットゥチーネを エシャロットとグリンピース、ペコリーノチーズとたっぷりの胡椒、ミントの葉、レモンの皮の摩り下ろしをソースに食べた。とても満足のいく一皿になったのは、やっぱり麺が美味しいから。こんな美味しいものを作りながら、自分はそれを口にしないとは…美味しいパスタを頬張りながら、ずーっとダニーロのことを考えた。